フェレットの3大疾病インスリノーマとは?症状や治療方法など

フェレットの3大疾病とも呼ばれるは、4歳以上の中高齢期のフェレットに多発する傾向があるです。

血糖値が低下する疾患で、悪化すると痙攣発作を起こしたり、意識が消失したりなどの深刻な症状を引き起こします。

4歳以上の中高齢期のフェレットは、体であっても活動量が減り寝る時間が増えたりしますが、低血糖症による活動量の低下であっても外見上なかなか区別がつかない病気です。

そのため初期症状は見落としがちとなります。

4歳以上の中高齢期のフェレットを飼っている方は半年に1回ほど定期検診を受けることをおすすめします。

インスリノーマとは?

インスリンとはすい臓で分泌されるホルモンの1種で、血液中の糖質を体内に取り込んだり、グリコーゲンの合成を助けるなどの働きをします。

すい臓は血糖値を下げる働きをするインスリンというホルモンを分泌して、常に血糖値をコントロールしています。

しかし、ホルモンが必要以上に分泌されてしまい、その結果血糖値が下がりすぎて低血糖を起こしてしまうのがインスリノーマです。

腫瘍性の病気で、完治させることは困難ですが、転移することもほとんどないと言われており、早期に発見し治療を行うことで一定期間良好に保つことができます。

フェレットの正常な血糖値

フェレットの正常な血糖値は文献によって様々なようですが、安静時の血糖値が70mg/dl以下になった場合をインスリノーマと判断しているが多いようです。

だいたい2~6時間ほどの絶食をさせ安静状態で採血をし、血糖値を調べます。

インスリノーマの症状

インスリノーマの症状は軽いものですと単なると思ってしまうこともあります。
通常のインスリノーマでは食欲や元気には特に変化がない場合も多いため、よく観察することが大切です。

中枢神経

中枢神経はブドウ糖しかエネルギー源として利用できないため、血液中の血糖値が低下すると中枢神経組織の機能が低下します。

これにより活動性の低下や、後肢のふらつき、後ろ足の踏ん張りが効かなくなる、寝起きの歩き方がふらつくなどがあげられます。
これらの症状は老化現象とよく似ており、一緒に生活をしている飼い主さんでも見落としがちなインスリノーマの症状です。

交感神経

もう1つは低血糖に誘発された交感神経の異常な興奮によって引き起こされる症状です。
低血糖に陥ると、血糖値を上昇させようと体は頑張りますが、この興奮が過度になりすぎると、心拍数の異常な上昇、呼吸が荒くなる、全身の皮膚の発赤、ヨダレが出るなどがあげられます。

全身が異常な興奮状態となり、ぐったりとしたり、痙攣発作の症状が出る場合もあります。

インスリノーマの治療

インスリノーマは腫瘍の摘出を行う外科治療と投薬を行う内科治療があります。
正確には、血糖値を安定させるための対症療法です。

ほとんど場合で内科治療を優先する動物病院が多く、プレドニゾロンなどのステロイド剤を投薬し対症療法を行います。

ステロイド剤は、肝臓においてブドウ糖を生産する糖新生作用を促す働きや、インスリンの効果を発揮しにくくする作用があり、それにより血糖値の上昇をもたらす効果があります。

外科治療の場合、肉眼的に発見可能な腫瘍を全て取り除いた場合でも、血糖値が正常化しない場合も多くあるようです。

そのため外科手術をしたあとも投薬により内科治療を行うケースが多いようです。

投薬治療の副作用

インスリノーマの治療にはステロイド剤が使用されますが、これは腫瘍に対する治療ではなく、血糖値を維持して病気の症状を軽減させるものです。

そのため、病気の症状が進行すると、症状に合わせてステロイド剤の投薬量が増えることもあります。

ステロイド剤の長期間の使用はそれなりの副作用を起こすと言われており、主な副作用は、免疫力の低下、胃腸障害による黒色の排泄、食欲・イン量の増加に伴うなどがあげられます。

しかし、低血糖症状の方がフェレットの命に関わってくるため、ステロイド剤の投薬を中止することは難しいと言えます。。

副作用に対しては症状に合わせて獣医師と相談しながら決めていくようにしましょう。

発作を起こした時の応急処置

フェレットが低血糖の痙攣発作を起こした時は糖質を補給し、血糖値を上げることが必要とされています。

発作を起こしている時はブドウ糖液やはちみつなどを歯肉にすりこむように与えたりします。

発作を起こした際の緊急対処法は、事前に獣医師さんと相談するようにしましょう。

まとめ

インスリノーマの初期症状は気づきにくく、老化現象と似ているため見落としてしまうことがあります。

そのため、4歳以降は半年に1回など定期検診の回数を増やすようにしましょう。

インスリノーマに限らず、病気は早期に発見し治療することで一定期間良好に保てることができます。

明確な予防法はありませんが、フェレットの健康を保つためには高タンパクなと新鮮な水が不可欠です。

また、免疫力を上げ病気になりにくいサプリメントを試してみるのも手かもしれません。