フェレットは古くからヨーロッパで飼育され、現在は世界中で買われている人気のペットです。

とても人に懐きやすく犬や猫のように鳴かないフェレットは一人暮らしのマンションやアパートでも飼いやすいと注目を集めています。

最近ではフェレット専門店もあるほど人気のフェレットですが、犬や猫に比べてまだ情報が少ないのではないでしょうか。

「フェレットを飼ってみたいけど、大変そう」
「フェレットってほんとに懐いてくれる?」
「フェレットって臭い?」
「病気になったときはどうしたら良い?」

などの情報を一つにまとめてみました!

フェレット飼育歴10年のもずなっとが、飼育の注意点やフェレットの魅力などを紹介します。
これを読めばフェレット初心者の方でも安心してフェレットを飼育することができます!

フェレットってどんな動物?

フェレットはヨーロッパケナガイタチもしくはステップケナガイタチを家畜化したもので、ヨーロッパでは古くから飼育されていました。
日本でペットとして飼育され始めたのはおよそ30年ほど前からで、犬や猫に比べれば日本ではペットとしての歴史は浅いです。

フェレットは胴が長く、細長いフォルムが特徴で長さは40~60cm程度、体重は0.8~2.0kgくらいの重さです。

フェレットが人気な理由

  • 人間に懐いてくれるため一緒に遊べる
  • 散歩の必要がない
  • 飼育スペースが小さく済む
  • 鳴き声が響かない
  • ニオイが気にならない
  • 飼い主のライフサイクルに合わせて生活することができる

などがあげられます。

フェレットはとても好奇心旺盛でまるで成長しない子猫のようだと言われるほど活発です。
人間と遊ぶことも大好きで、遊ぶ時は思いっきり遊び、遊び疲れると飼い主さんの膝で寝転んだり、そのまま床で眠ってしまうこともあります。

鳴き声も小さく、嬉しいときには「クックック」と鼻を鳴らすような鳴き声をし、怒ったときや威嚇するときは「シューシュー」と鳴きますが、他の部屋に漏れるような鳴き声ではありません。

元々は夜行性の動物ですが、飼い主さんのライフサイクルに合わせて生活することができるため、飼い主さんが寝ている時間はフェレットも寝てくれますので、うるさくありません。

フェレットの価格

フェレットは2~8万円ほどで購入することができます。
価格はファームやカラー、また輸入状況などにより価格が異なります。

ペットショップにいるフェレットの場合、避妊・去勢手術、臭腺除去手術を海外で済ませていることがほとんどなため、他の小動物より少し価格が高く設定されています。

フェレットの寿命

日本で飼育されているフェレットの寿命は、6~10年と言われています。
イギリスではペットとして飼育されているフェレットの寿命は8~10年ほど、狩猟用のフェレットの寿命は10~12年ほどです。

日本のフェレットの寿命がほかより短い理由は、幼いうちに避妊・去勢手術をしている影響とされています。

避妊・去勢をしたフェレットは病気にかかりやすく、病気が原因で亡くなることが多いです。

フェレットは成長速度が非常に早くあっという間に大きくなり、そして4歳でシニア期を迎えます。

成長ステージあった食事、ストレスを溜めさせない飼育環境を用意してあげることがフェレットの寿命を握る鍵です。

フェレットの種類


フェレットはファームと言われる繁殖場により種類が分かれています。

ファームによって大きさや毛並み性格などにも違いがあり、それがそれぞれの個性となっています。

ここでは、ファームの特徴を紹介しています。

マーシャルフェレット

ほっそりとした体格に、大人しく噛み癖の少ない仔が多いため、フェレット初心者にもおすすめです。
マーシャルフェレットの耳には、臭腺除去と避妊手術を終えたことを示す2つの入れ墨とマイクロチップが埋め込まれているのが特徴です。

パスバレーフェレット

顔が丸くしっかりとした体つきの仔が多く、カラーバリエーションが豊富です。
マーシャルフェレットに比べると少し噛み癖がありますが、丈夫で病気になりにくいのが特徴です。

マウンテンビューフェレット

マーシャルフェレットのように噛み癖が少なく大人しい仔が多いため、フェレット初心者にもおすすめです。顔が丸顔の仔が多いです。

アンゴラフェレット

身体の大きい仔が多く、他のファームよりも被毛が長くふわふわしているのが特徴です。
被毛の長さがショート、セミロング、ロングに分けられています。
体格ががっしりしており、噛み癖が強い子が多いため初心者の方にはあまり向いていません。

ピーターソンフェレット

ピーターソンはアメリカなどでフェレットを個人的に繁殖させているブリーダーさんたちで作られた大きなグループの名前です。
比較的、ベビーの時から丸顔でずっしりした身体の大きい仔が多いのが特徴で、甘えん坊で遊び好きな仔が多いようです。

フェレットのカラー

フェレットにも様々なカラーの仔がいます。
カラーにより希少なカラーであれば価格が高騰することもあります。

セーブル

出典:フェレットワールド

オーバーコートは濃い茶色から黒で、アンダーコートは白からクリーム色です。
最もポピュラーなカラーです。

ブラックセーブル

ブラックセーブルのフェレット
出典:フェレットワールド

オーバーコートは黒色で、アンダーコートは白からクリーム色です。
セーブルよりも全体的に黒いです。

バタースコッチ

バタースコッチのフェレット
出典:フェレットワールド

オーバーコートが茶色から焦げ茶色で、アンダーコートは白からクリーム色です。
アメリカではチョコレートと言われています。

シナモン

シナモンカラーのフェレット
出典:フェレットワールド

オーバーコートは赤茶色で、アンダーコートは白からクリーム色です。
全体的に色が薄くバタースコッチよりも明るい色です。

シャンパン

シャンパンのフェレット
出典:フェレットワールド

オーバーコートがシャンパンのような小麦色で、アンダーコートは白からクリーム色です。
顔のくまどりといわれる模様はないか、あったとしても淡い色です。

スターリングシルバー

スターリングシルバーのフェレット
出典:フェレットワールド

オーバーコートは白と黒の混合で、アンダーコートとの曲がり具合でシルバーに見えます。
換毛期や成長ステージで濃淡の変化が激しくなります。

シルバーミット

シルバーミットのフェレット
出典:フェレットワールド

上のスターリングシルバーよりやや黒が濃く、手足に白い手袋(ミット)が入った模様です。

ブレイズ

ブレイズのフェレット
出典:フェレットワールド

顔の中心から肩にかけてひとすじの白い模様があるのが特徴です。
独特な模様と濃淡でパターンがたくさんあります。

パンダ

パンダカラーのフェレット
出典:フェレットワールド

実際のパンダのような配色で色が入っているのが特徴です。

アルビノ

アルビノのフェレット
出典:フェレットワールド

オーバーコートもアンダーコートも白色の単色で、瞳の色が赤いです。
先天性の色素欠乏症によるものですが、フェレットでは一般的に見られる毛色です。

ホワイトファーブラックアイ

ホワイトファーブラックアイのフェレット
出典:フェレットワールド

オーバーコートとアンダーコートは共に白色の単一で、瞳の色が黒いのが特徴です。

飼育に必要なもの

フェレットは1日の大半を寝て過ごすということもあり、飼い主さんが外出中はほとんど寝ています。

ケージの中でも快適に過ごしてもらうために必要なものを揃えてあげましょう。

・ケージ
・トイレ
・トイレ砂
・ご飯皿
飲み
・ハンモック

ケージ


留守中のフェレットが安全に過ごすためにもフェレットのケージを用意してあげましょう。
一般的にはケージは底面積が広く、大きいトイレを置いた時の生活スペースを確保しやすいものを選ぶようにしましょう。
また入り口が大きく網が縦筋のものがや足をひっかけてケガをする心配がないためオススメです。

トイレ


フェレットは角でトイレをする習性があるため、それを活かして覚えさせます。
トイレの形としては四角く奥行きがあり、側面の高さがあって囲まれていると安心してできるようです。

トイレ砂

木のチップやフェレットがおしっこをしたあとに固まってしまうものは体に刺さったり食べてしまう危険性があるため避けましょう。
トイレ砂は紙でできているものや、ペットシートがおすすめです。

ご飯皿

フェレットのご飯皿に適しているのは重たくてひっくり返されない陶器製のようなものがオススメです。

給水器


フェレットは1日に何回もお水を飲むため、いつでも新鮮な水が飲めるようにしておく必要があります。
お皿に入れておくとこぼしてしま可能性もあるため、給水ボトルのタイプが良いでしょう。

ハンモック

フェレットはハンモックのように丸くなって寝られる場所が大好きです。
形や素材などさまざまなものがありますが、季節に応じて使い分けるのが良いでしょう。

フェレットの

ご飯を食べるフェレット
フェレットの健康を保つためには毎日の食事が大切です。

基本的にはフェレット専用のドライのフェレットフードを与えます。

フェレットは肉食の動物で、消化管が短く食べたものはおよそ4時間で排泄します。
そのため、短時間で消化と吸収ができる動物性たんぱく質、そして動物性脂肪が高いものが良いとされています。

反対に消化に時間がかかってしまう繊維質はフェレットに負担がかかってしまうためなるべく低いものを選ぶようにしましょう。

フェレットフードの選び方

フェレットフードを選ぶ時に重視したいのが、成分と原材料です。
フェレットに最適なフードの成分は、動物性たんぱく質が36%以上、動物性脂肪18%以上、繊維が3%以下とされています。
また植物性たんぱく質ではなく、動物性たんぱく質を原材料として多く使用しているものを選ぶようにしましょう。

フェレットフードの与え方

フェレットはご飯を1日に5~10回ほどに分けて食べます。
特に食事の時間を決める必要もなく、食べたい時にいつでも食べられるようにケージの中に常にフードを入れておくことが大切です。

そして1日に2回、フードと水を交換してあげるようにしましょう。

与える量はオスの場合50~70g、メスの場合40~60gを目安として与えるようにし、交換する前にフードを食べきっていたら、もっと増やすようにしてください。

フェレットフードは脂質が多く酸化しやすいため、密閉容器にいれて保存するようにしてください。

フェレットフードはブレンドがオススメ

フェレットは嗜好が強い動物なため、食べ慣れているフードしか食べないことがあります。
一つのフードを与え続けているとフードの切り替えも難しくなります。

フェレットは成長ステージ全てに対応しているフードや、ベビー用、シニア用と成長ステージに合わせて作られているフードがあります。
いつも与えているフードが欠品したり廃盤してしまうこともあるため、フードは常に2~3種類をブレンドしておくことをおすすめします。

フェレットをお迎えする時は、購入したペットショップや家にお迎えする以前に与えていたフードを与えるようにし、そのフードにプラスして違うフードを徐々にブレンドするようにしてください。

フェレットに与えてはいけない食べ物

チョコレート、乳製品、食物繊維が多い果物、甲殻類の魚介、ネギ類は消化不良でを起こしたり、場合によっては中毒になり死んでしまう場合もありますので、フェレットの与えるのはやめましょう。
また、フェレットの届く位置にそれらのものを置かないようにしてください。

飼育環境

人懐っこくて頭の良いフェレットはトイレなどしっかり覚えてくれます。

しかし好奇心旺盛なフェレットは狭い隙間などを好んで入るためケージから出して上げるときは目を離さないようにしましょう。

日常のお世話


フェレットはご飯をあげて、水を交換して、トイレの掃除をしながら一緒に遊ぶといった基本的なことだけで大丈夫です。

お水とフードは1日2回新しいものに交換してあげ、トイレ掃除は最低でも朝晩の2回キレイにしてあげるだけで充分です。

フェレットは短時間に激しく遊び、他の時間はぐっすりと眠るという動物です。
犬のように外に散歩に出なくても室内の整った環境で遊ばせてあげれば運動不足になる心配もありません。

お手入れ

フェレットは週に1度爪切りと耳掃除、そして月に1回ほどシャンプーをしてあげましょう。

・爪切り
フェレットは猫のように自分で爪とぎができず、定期的に切ってあげないと伸びっぱなしになってしまいます。
爪が長いと遊んでいる時などに引っ掛けてしまい怪我をする原因ともなるため、週に1回は小動物用の爪切りで切るようにしましょう。

・耳掃除
フェレットは茶色い耳垢が溜まります。
放置してしまうと耳ダニの温床となってしまったり、耳が臭くなったりします。
そのため週に1回は、専用のクリーナーと綿棒を使い耳掃除しましょう。

・シャンプー

フェレットは皮脂が溜まりやすく、定期的にシャンプーをしてあげないと皮脂が詰まりしっぽが剥げてしまうこともあります。
また、換毛期には古い毛を落とす効果もあります。

フェレット専用の低刺激シャンプーを使用して、月に1回ほどシャンプーをしてあげましょう。

ニオイ対策

ペットショップにいるフェレットのほとんどの仔は臭腺除去手術を受けているため、野生のイタチほど臭くありません。

ですが、ペットを飼っているとどうしてもニオイが出てしまいます。

フェレットのニオイ対策は

  • こまめにトイレ掃除を行う
  • こまめにハンモックを交換する
  • 週に1度ケージを丸洗いする
  • ケージ用マットカバーを使用する
  • シャンプーをする

トイレ掃除は最低でも1日2回行うようにし、週に1回飼育ケージを丸洗いすることでだいぶニオイが抑えられます。

またケージにマットカバーを敷くことにより、余分な皮脂を拭き取ってくれるためニオイを抑えられ、さらに毛の艶もよくなります。

フェレットの適温

フェレットにとっての適温は、15~22℃です。
人間とは違い汗腺がなく、汗をかかないフェレットは体温調節ができず暑さにとても弱い動物です。

夏場はエアコンが絶対に欠かせません。

ケージを置く場所は、1日の寒暖差ができるだけ少なく、静かでエアコンやストーブなどのが直接当たらない場所にしましょう。

フェレットとの接し方

遊び方

おもちゃで遊ぶフェレット
フェレットはとても遊び好きで、個体差もありますが飼い主さんと遊ぶことが大好きです。
猫じゃらしなど動くものや音がなるおもちゃなどに反応します。

また、暗くて狭いところが大好きなためトンネルなどのおもちゃがあると喜んで遊んでくれますよ。

しつけ

フェレットに必要なしつけはトイレと噛み癖です。

賢いフェレットはきちんとしつけをすると覚えてくれる動物です。

しつけに大切なことは根気強く教えることです。

・トイレ
フェレットは、基本的には隅っこで排泄をする習性があります。
フェレット身体がすっぽり入るくらいの四角いトイレをケージの中に用意してください。

最初のうちは常にトイレの中にフンを1つ置いておくとそこでしてくれるようになります。

フェレットは1日何回も排泄をしますが、特に寝起きやご飯を食べたあとは排泄をしやすいため、ケージから出す前にトイレを済ませているか確認してから外に出すようにしましょう。

そうするとケージの外で排泄してしまうことも減ります。
もしケージの外で排泄をしてしまった場合は、消臭剤などを使用してニオイを残さないようにしてください。

・噛み癖
フェレットの噛み癖を治すためには噛まれた直後に大きな声で叱ることが大切です。
噛まれてから時間が経ったあとに叱ってもフェレットは「なんで叱られているんだろう」と思ってしまいます。

できるだけ目を見ていつも同じ言葉(「ダメ」や「痛い」)で叱るようにしてください。

また、フェレットが人を噛むのには様々な理由があります。
ベビー期の場合は、歯の生え変わりでかゆくて噛んでしまったり、動く飼い主さんの手足をおもちゃだと思って噛んでしまうことも。
大人のフェレットでも体調の悪い時や、怖いときや興奮した時は威嚇するように噛んでしまうこともあります。

フェレットがなぜ噛んでしまうのかを理解して、対処することが大切です。

お散歩


フェレットは特にお散歩の必要がない動物ですが、一緒に外にお出かけすることもできます。
まずは部屋の中で専用のリードを付け慣れさせることが大切です。

外での感染症を防ぐためにお散歩はワクチンやフィラリア予防薬を投与している仔に限ります。

お散歩時の注意点

・リードが簡単に抜けてしまわないか
・外の気温が24℃以上の日は避ける(日の当たるアスファルトは避けて)
・水分補給できるように水を持っていく
・絶対に目を離さない

まずは家の近所などを散歩するなど短い時間から慣れさせていきましょう。

フェレットがかかりやすい病気

フェレットはとても病気にかかりやすく、成長速度が早く4歳になる頃にはシニア期に入ります。

日頃からフェレットの排泄物や食欲、体重などを観察することも大切ですが、年に1回健康診断を受けることも大切です。

三大疾病

副腎疾患リンパ腫はフェレットの3大疾病と言われるほどフェレットのかかりやすい病気です。

インスリノーマインスリノーマは膵臓の腫瘍で中~高齢のフェレットによく見られます。
血糖値が下がりすぎて低血糖症を起こしてしまう腫瘍性の病気で、症状が活動性の低下、後肢のふらつきなど現象と似ているため見落としがちな病気ですが、血液検査を行うことで発見することができます。
副腎疾患副腎腫瘍はフェレットの副腎腫瘍から分泌される性ホルモンが過剰に分泌して起こる病気です。
副腎疾患に罹患したフェレットの9割に左右対称の脱毛が見られます。
その他の症状はオスは前立腺肥大により尿が出にくくなったり、メスは陰部の肥大などの症状が現れます。
リンパ腫リンパ腫は白血球の1つであるリンパ球がガン化する血液のガンで、高齢のフェレットによくみられます。
リンパ腫は特定の部位に起こる病気ではなく、全身至るところで発生する可能性のある病気で、兆候を読み取るのが難しい病気です。
リンパ腫に侵されたリンパ節が腫大しますが、リンパ節の部位により症状が異なります。

感染症・寄生虫

フェレットはヒト由来のインフルエンザA型・B型に感受性のある動物で、飼い主さんの咳やくしゃみなどの飛沫で感染します。
人間と同じように発熱やくしゃみ、咳、鼻水、食欲不振などの症状が出ます。
ジステンパージステンパーは犬の感染症の1つですが、フェレットも感染します。
体の小さなフェレットが感染した場合の致死率はほぼ100%となっておりますが、ワクチンを接種することで抗体をつくることができます。
ジステンパーに感染すると目ヤニ、鼻水、口周りの発疹などの症状が見られます。
ジステンパーに感染した動物などを触り家のフェレットに感染させてしまうこともあるため、動物と接触したあとは手を洗い消毒するようにしましょう。
フィラリアフィラリアという線虫の寄生によって起こる病気で、フィラリア症に感染した動物の血液を吸った蚊に刺されることにより感染します。
フィラリアの幼虫がフェレットの体内で成長し、咳、食欲不振、元気がないなどの症状が出ますが血液の流れを塞ぎ突然死を引き起こすこともあります。
フィラリアの予防薬で防ぐことができます。
コクシジウムコクシジウムという原虫がフェレットの消化管に寄生し起こる病気で、免疫力が高ければ症状は見られず、フェレットの免疫力が落ちると増殖し発症します。
そのため、免疫力の低いベビー期やシニア期のフェレットによく見られます。
定期的な服薬で治る場合が多いのですが、コクシジウム症を発症した仔は下痢をすることが多いため、その時は脱水症状にも注意することが必要です。
耳ダニフェレットの耳ダニはペットショップなどで購入したときにすでに感染していることが多く、ごく一般的に見られる病気です。
感染が重度になると炎症を起こし、中耳炎を発症することがあります。
数回の投薬で治療することができます。

その他

フェレットは好奇心旺盛で、遊ぶことが大好きです。
フェレットが遊んでいる最中に起こしやすいケガや誤飲を紹介します。

誤飲フェレットは食べ物ではなくても口に入れて飲み込んでしまうことがあります。
特にトイレ砂、タオルなどの布製品、ゴム製品は誤飲する可能性の高いものです。
フェレットをケージの外に出して遊んでいる時はこれらを誤飲しないように注意しましょう。
フェレットは誤飲した時や換毛期などに毛を飲み込んだ時は、腸閉塞を引き起こすことがあります。
が細くなる、便になにかが混じっている時は注意が必要です。
熱中症フェレットは暑さに弱い動物で、人間にとってはなんともない気温でも熱中症を起こしてしまいます。
フェレットの快適な室温は15~22℃と言われています。
25℃を上回るときはエアコンを欠かさずつけるようにしてください。
骨折フェレットは高いところに登るのは好きですが、降りることが苦手な動物です。
そのため、降りる時に骨折をしてしまうこともあります。
また、爪が引っかかりそれを無理に抜こうとして骨折してしまうこともあります。
歯が抜ける・欠ける乳歯から永久歯に生え変わりは心配する必要はありませんが、永久歯が抜けた場合は炎症を起こしてしまう可能性があります。
永久歯が抜けた、欠けた、すり減ったことにより歯髄(しずい)が露出して、歯髄炎(しずいえん)となり激しい痛みがあります。
永久歯が抜けた、欠けた時は痛がっていなくても早めに病院に連れていくようにしてください。

フェレット飼育に向いていない方

ペットを飼うということは、その仔の面倒をきちんと見て最後まで看取るということです。

「フェレットを飼ってみたい」「一人暮らしは寂しい」などフェレットを飼ってみたい理由は人それぞれですが、誰でも気軽に飼えるわけではありません。

「世話がめんどうになった」「アレルギーが出てしまった」などフェレットを手放すことも人それぞれですが、フェレットは自然界では生きていけない動物です。

万一、育てられなくなってしまっても決して育児を放棄したり、外に放したりしないでください。

フェレットを専門に里子として引き取ってくれる機関などがあるため然るべき機関に相談してください。

フェレットを飼うのに不向きだと思われる人は

・出張や旅行が多い
・毎日の世話が難しい
・家族や同居人が反対している
・飼育費用、医療費を出せない
・家にエアコンがない
・アレルギーがある
・他に飼っている動物がいる

上記の方がフェレットを飼うのは難しいです。

動物を飼うということはその子の一生涯を責任をもち最期まで面倒を見るということです。
経済的余裕や時間的余裕があるのか、飼育環境は整っているのかなどを今一度見つめ直してみましょう。

フェレットの選び方

フェレットをお迎えするのに重要なポイントのひとつは良いペットショップを選ぶこととその仔の健康状態をチェックすることです。

ショップ選び

お店の中を観察すれば、そこにいるフェレットたちがどのように扱われているのかすぐに分かります。

お店の中でチェックすべきポイントは、

ポイント・お店の中は清潔か

・フェレットのケージは掃除されているか

・専門的に知識を持ったスタッフがおり、困ったときに相談に乗ってくれるお店なのか

などを見ると良いでしょう。

健康チェック

フェレットをお迎えするときにはショップの店員さんと簡単に健康チェックをしてもらいましょう。

特にチェックすべきポイントは、

ポイント・目ヤニがでていないか

・耳の汚れが酷くないか

・肛門周りは汚れていないか

などをチェックすると良いでしょう。

※フェレットはとてもストレスにも弱い動物なため、ペットショップでは元気にしていても、慣れない初めての環境で下痢をしてしまったり、食欲がなくなってしまうこともあります。

フェレットを迎える

フェレットをお迎えるする日は不安でいっぱいだと思いますが、お迎えした日の接し方、お迎えするまでに最終チェックしておきたいことなどをまとめました。

飼育環境を整える

フェレットを迎えるために最終チェックです。

  • 飼育グッズが全て揃っている
  • お迎えした仔が食べていたフードを用意する
  • その仔の一生を見れる覚悟がある

初めてペットを飼う、初めてフェレット飼う、最初は不安なことも多いかと思います。

その不安を一つでも拭うために、最初に飼育グッズは全て揃えておくようにしましょう。

また、ケージの置き場も決めセットしておきましょう。

お迎えしたフェレットとの接し方

寝ているフェレット
初めてフェレットを迎えた日はすぐに遊ばせたり、触ったりせずゆっくりケージ内で休ませてあげ、家の環境に慣れさせるようにしましょう。

フェレットも人間と同じように初めて来た場所、初めて会った人などは緊張や不安、ストレスを感じます。

むやみに触ったりせず、その日はケージに入れてあげて、食欲はあるか、排泄物の状態はどうかなどをしっかり観察し、気になることがあればショップなどに相談するようにしましょう。

次の日になり健康状態をチェックした上で、元気に過ごしているようであればケージの外に出してあげましょう。

そっとケージの入り口を開けてみて自分から出てくるようであれば、そのまま部屋の中を探索しますので、観察するようにしてください。

いきなり大きな音を出したり、抱き上げたりするとびっくりして怖がったり、興奮して噛むこともあります。

そのため、そっと手を出して静かに撫でることから始めてください。

慣れてくると抱っこすることもできるようになるでしょう。

ポイント

・健康状態をチェックする

・大きな音を出さない

・急に抱っこしない

健康診断・ワクチン接種

フェレットをお迎えして1~2週間、家の環境に慣れてきたころ体調に問題がなければ健康診断やワクチンの接種に連れて行ってあげましょう。

・健康診断

フェレットは人間の10倍のスピードで年を取りますので、健康診断が重要です。3歳までは年に1度、ワクチン接種の折に健康診断を受けることをおすすめしています。4歳からは年に1度の頻度で血液検査を含めた健康診断を受けると安心です。6歳からは半年に1度は血液検査を受けた方が良いでしょう。

フェレットは一見健康に見える状態での健康診断でトラブルが見つかることが比較的多い動物です。早期に発見してあげることで、つらい症状を出さずに治療できることも珍しくありません。
出典:くらた動物病院

現在もずなっとも実際通っている病院です。
家にいるとらくんとむぎちゃんもこちらのくらた先生にお世話になっています。

先生が仰るようにフェレットは元気に見えても健康診断で病気が見つかることもあります。
特にペットショップからお迎えしたばかりのフェレットは耳ダニを持っている可能性が高いため、お迎えしたあとはワクチンと共に健康診断に行くようにしましょう。

・ワクチン接種
ジステンパーは犬の感染症の1つですが、フェレットも感染します。
フェレットが感染した場合の致死率はほぼ100%ですが、ワクチンを接種することで抗体をつくることができます。
接種時期は生後1年以内は2~3回を間隔を空けて接種し、その後は1年おきに接種するようにしましょう。
お迎えしたフェレットが前回ワクチンを受けた時期はペットショップの方に必ず聞いておきましょう。