
ハリネズミは温暖な地域に生息している動物のため、寒さがとても苦手です。
冬の厳しい寒さから防ぐにはヒーターが欠かせません。エアコンの暖房では、必ずしもケージ内が温まるとは限らないからです。
そんな時、リバーシブルタイプのヒーターがおすすめですが、
■具体的にどのようにヒーターを使えばいいのか?
■気になる低温火傷はどうすれば防げるのか?
の2点を分かりやすくお伝えしています。
ハリネズミが苦手な寒さを防ぐために、ぜひヒーターを活用してみてください!
ハリネズミは寒さがとても苦手
ハリネズミは寒さや暑さなど、温度の変化にはとても敏感です。特に冬の寒さはハリネズミにとっては“大敵”。
温度が18℃を下回ると、ハリネズミの体の機能はいわば省エネモードになって冬眠の準備を始めてしまうことがあります。
この冬眠、ハリネズミにとってはちょっと危険なんです。
たとえ冬眠から目が覚めても、体の機能が回復せず、そのまま衰弱してしまうことがあるため、「ただの冬眠」と簡単に片づけられないところがあります。そのため、ハリネズミへの寒さ対策は万全に行う必要があります。
一番手っ取り早い方法はエアコン、そしてペット用のヒーターを使うこと。
ペット用のヒーターはいろいろな種類があり、「どんなヒーターを選べばいいの?!」と悩んでしまう飼い主さんも多いですよね。
それでは次にハリネズミには「どんなペットヒーターを使えばいいのか」についてお話しましょう。
ハリネズミにおすすめはリバーシブルヒーター
リバーシブルに使えるシンプルなヒーターや、ケージの下に入れるタイプのシートヒーター、ケージの上に置いてケージ内を温める赤外線ヒーターにセラミックヒーターなど、さまざまなタイプのペットヒーターがあります。
この中でも使いやすくておすすめなのが、ズバリ!リバーシブルヒーターです。
①安全性
②使いやすさ
③価格の安さ
から判断すると、リバーシブルヒーターより優れた商品はありません。
多くの飼い主さんも使用している実績からみても、一番失敗の少ないヒーターと言ってもいいでしょう。
私も使用していますが、何人かのハリネズミ仲間にすすめたところ、みんな使いやすと言ってお墨付きをもらいました。
このリバーシブルヒーターの良い点は、次の3つにまとめられます。
ぜひ、購入の際の参考にしてみてください。
寝床に直接設置できる
パネルタイプのリバーシブルヒーターであれば、寝床の下に忍び込ませて簡単に設置できるため、常に暖かい寝床で寝ることができます。場所に固定されないため、寝床を移動してもその場所に移動させて、簡単に再設置することが可能です。
寝床の下に置いておくと、居心地が良すぎて中から全然出てくれない!という場合でも、空いているスペースの床材の下に潜り込ませれば、寝床からモソモソと出てきてくれます。
寝床の中に隠れがちになる寒がりなハリネズミでも、ヒーターの上で可愛い仕草や表情を見せてくれるという点でもリバーシブルヒーターはとても機能的です。
体の芯から温まる
寝床の下に直接設置できるので、寝ている間に体の芯から温まることができます。
ハリネズミは何といっても、寒さがとても苦手です。
しかし、部屋の四隅や窓の近くなどは暖かい空気が回りにくいため、ハリネズミにとって必ずしも暖かい環境にはない場合があります。
夜に暖房を切って寝てしまうと、底冷えがしてきてハリネズミにとってはとても厳しい環境になります。
とはいっても、夜中にずっと暖房をつけておくのは電気代が…という飼い主さんはぜひ、ハリネズミ用のリバーシブルヒーターを使うことをおすすめします。
寒さで体が芯まで冷え、朝起きてみたらハリネズミがグッタリして動かない…なんてことはしばしば聞く話です。そんな最悪の事態を避けるためにも、専用のヒーターを1つ用意しておくだけでもだいぶ違ってきます。
温まりすぎから守れる
ケージの上に設置する赤外線ヒーターは一部ではなく、ケージ全体を温めてくれるため、寒い冬場にはリバーシブルヒーターと同じように大活躍します。
しかし、その温められた温度がその子にとって最適な温度とは限りません。暑いと感じる場合もあるかも知れません。その時に、「暑さから逃げる場所」がないと真冬なのに暑さでバテてしまう、という皮肉なことが少なからず起こるものです。
そのため、温度設定ができるサーモスタットが必須ですが、ない場合は温度が上がりすぎていないかこまめなチェックが必要になります。
一方で、リバーシブルヒーターであれば設置している場所だけが温かいので、「ちょっと暑いな」と感じればヒーターから逃れて体を冷やすということもできます。
リバーシブルタイプのヒーターは表と裏では温度が違うため、ハリネズミの様子を見ながら温度の高い面を上にしたり下にしたりという調節が簡単にできます。臨機応変に対応できるのも、リバーシブルヒーターの大きな利点の1つになっています。
ハリネズミがヒーターで低温火傷しない4つの対策法
リバーシブルヒーターを使用して心配なのが、低温火傷です。寝床の下に設置するのはいいけど、そのままずっと寝ていたら熱くなりすぎないか…。
そう考えると使うのをちょっと躊躇ってしまいそうですが、万一低温火傷してしまうような条件が揃っても、簡単に回避できる方法がありますので安心です。
対策法①ヒーターをケージの下に敷く
夜の間、長時間目を離している間に低温火傷してしまわないか心配という飼い主さんもいるでしょう。そういう場合は、ケージの下にヒーターを置いておくことで低温火傷の心配もなく、じっくりとほんのりした温かさを伝えることができます。
ケージの底の厚さや素材などによって伝わる温かさは変わってきますが、通常のプラスチック製のケージであれば大きな問題もなく使うことができます。
木製のケージだとやや温かさが伝わりにくい面があります。逆に鉄やステンレスなど熱が伝わりやすいので、その点も考慮に入れて調節してみてください。
対策法②ヒーターをタオルで包む
リバーシブルヒーターをタオルや布に包んで寝床の中や寝床の下に敷くことで、低温火傷を防ぐことができます。
タオルの包み方が甘いとタオルの中に潜り込んでしまい、結果的に直接ヒーターに当たってしまうことになるので、緩みのないようにタオルを包んでおくようにしてください。
はりねずみんみん共和国さんでは、ヒーターを入れる隙間のある専用の寝袋が販売されています。こういった専用品を使うことで、火傷などの危険を回避して確実にハリネズミを温めることができるのでとても便利です。
しかもこの寝袋は8種類のデザインがあるため、何種類か用意して季節によって、気分によって変えることができるという楽しみもあります。
対策法③サーモスタットを使って温度調整
ヒーターが温まりすぎてしまうのがどうしても心配な飼い主さんは、温度を一定にキープするためにサーモスタットを使うことをおすすめします。
ハリネズミが一番過ごしやすい温度は24℃~29℃くらいと言われています。
夜中など長時間目を離さなければいけない場合は、温度の低い面(約30℃)を上にしてサーモスタットを設置しておけば自動的にヒーターのONとOFFができて、ヒーターが熱くなりすぎてしまう危険性がなくなります。
余裕のある人はサーモスタットを用意して、きっちりと温度設定しておくと安心かもしれませんね。もちろんサーモスタットがなくても、タオルを包んだり巻いたりすることでも簡単に対処できます。
自分の(あるいはハリネズミの)都合の良い方法を選んで、暑すぎや寒すぎをできるだけ排除して、快適に過ごしてもらいましょう。
ヒーターの電気代はどれくらい?
8Wのリバーシブルヒーターを使う場合、1時間あたり約0.2円です。
1日中使用したとしても5円ほどで、1か月使い続けても150円ほどにしかなりません。
少し大きめのサイズの14Wのヒーターだと、1時間あたり約0.35円、1日中使用しても8円ほどで1か月使い続けても約240円ほどです。もちろん、エアコンの暖房を使うよりもはるかに経済的です(エアコンであればだいたい1500円くらいです)。
ハリネズミが冬眠しないように注意
野生のハリネズミは中央アフリカの温暖な地域に生息しているため、寒さにはめっぽう弱い生き物です。自分で温度調節ができないため、飼育している場合には特にこの温度の管理が大事になってきます。
温度管理の仕方が、ハリネズミの健康に大きく関わってくる、といっても決して大げさではありません。寒さにさらされると、健康を害するだけでなく、ひどくなると冬眠してしまうことがあります。
ハリネズミにとって冬眠はほとんど「仮死」のようなもの。
寒さを逃れるための生物的反応、と単純に説明できるほど余裕もなければ呑気にもなれません。もしいつもより動きが鈍い、ほとんど動かず眠ってばかりいるという場合、冬眠を疑って早めに動物病院へ連れていきましょう。
まとめ
ヒーターを使用する時に考えないといけないのは、飼育環境に合ったヒーターを使うということです。
リバーシブルのヒーターはどのような飼育条件でも比較的使いやすいため、どのヒーターを使っていいか分からない場合には真っ先におすすめしています。
ただし、ハリネズミの飼育歴が長くなってくると、うちの環境ではケージ全体を温める赤外線のほうが合っている、ケージの底に敷くタイプのシートヒーターの方が合っている、など最適なヒーターが見つかってくるかも知れません。
あるいは何種類かのヒーターを組み合わせて、うまく温度管理をしている飼い主さんもいます。もし現在使っているヒーターが使いにくい、うちの子には合わない、という場合は、他のヒーターも使ってみて一番使いやすい、適したヒーターを選んで寒さを乗り越えてくださいね。