ハリネズミは偏食家で、つい好きなものばかり食べて肥満になりがちな生き物です。
しかも飼育されているハリネズミは野生のハリネズミと比べて運動量が少なく、余計に肥満になり易いと言えます。
そのままにしておくと、様々な内臓疾患を発症して命を縮めてしまうことになります。
・どうしてハリネズミも肥満になってしまうのか?
・肥満を予防するにはどうしたらいいのか?
・どんなエサをあげればいいのか?
など、皆さんの疑問を解消する情報をお届けします!
ハリネズミはどうして肥満になるの?
人間や他の動物と同様に、ハリネズミだって肥満になります。その原因はおおむね、次の2点に集約されることが多いようです。
・高脂肪のエサの食べ過ぎ
・運動不足
食事の見直し
ハリネズミの場合、偏食家の子が多いため、高脂肪のエサが好きになるとそればかり食べてしまいます。
飼い主さんのほうも、たくさんモリモリ食べるからどんどんあげてしまう。
そうすると、必然的に脂肪がついてしまいどんどん太っていってしまいます。
しかも、飼育下のハリネズミは野生のハリネズミとくらべてどうしても運動量が不足しがちになります。
野生のハリネズミの場合、エサを求めて1日に3~5kmほど走ると言われています。
自然界でたくましく生きるハリネズミとくらべると、人間の下で飼育されるハリネズミがあまり運動できないのは仕方ないことなのかもしれません。
だからこそ、飼い主さんがハリネズミの体調管理を責任もって果たしていくことが大切になります。
肥満の見きわめ方
ハリネズミが肥満になっていると判断する基準は、以下の3点です。
- お腹の脂肪がたまりすぎて体が丸まらない
- 特に首の周りや足の付け根に脂肪がたまっている
- アンティング(唾液塗り)ができない
ハリネズミの平均体重はメスで300~600g、オスで400~600gほどと言われています。
しかし、個体差があるので600g以上あっても、肥満とは判断できない子もいます。
明確な数的基準はありませんが、ハリネズミが上記のような状態であれば、肥満を疑った方がいいかもしれません。
肥満になるとかかりやすい病気は?
それでは、ハリネズミが肥満になるとどんな病気にかかりやすくなるのでしょうか?
- 心臓疾患、脂肪肝、糖尿病などを発症する
- 過度に脂肪が蓄積し眼球突出したことによる眼球の外傷
- 蓄積した脂肪によって体内の熱が発散されず、熱中症になりやすくなる
- 免疫力が低下する
- 骨や関節への負担が大きくなる
- グルーミングができず、皮膚疾患を起こしやすくなる
肥満はハリネズミの体にとって、大きな負担になります。
人間や他の動物と同じように、肥満によって様々な病気のリスクを背負うことになります。
ハリネズミと少しでも長く一緒に暮らしていくためには、肥満の予防と解消が大きな課題になると言っても過言ではありません。
肥満を解消するダイエット法
ハリネズミの最適なダイエット法は、ずばり
■適度な運動
■食事の見直し
の2点です。最も手っ取り早い運動といえば回し車ですが、肥満してくるとハリネズミもあまり回し車で遊ばなくなってしまうことがあります。
夜中、あまり遊んでいないようであれば、日中は積極的に部屋の中で放し飼いにして「部屋んぽ」(部屋の中で散歩)をさせましょう。
ハリネズミも慣れてくれば生来の好奇心、冒険心を発揮して部屋の中を縦横無尽に歩き回ってくれます。
でもハリネズミはもともと、暗いところや狭いところが好きな性格なので、入ってしまったら手の届かない場所や連れ戻せない場所があれば、あらかじめ穴を塞いでおいたほうがいいかもしれません。
口の中に入れてしまう可能性のある小さなゴミや物なども、お散歩コースから取り除いてハリネズミに安全に運動させてください。
肥満の時のおすすめのエサはコレ!
ハリネズミが肥満になってしまったら、一番大事なのは食事内容を見直すことです。
もちろん、運動することはとても大事ですが、運動する量や時間にも限界があります。
しかし、こと食事内容に関してはペットショップやネット通販で様々なエサが販売されており、含有成分も様々です。
ダイエット用に低脂肪のエサをなるべく多くあげることで、肥満の解消は十分実現可能です。
肥満のハリネズミに食事をあげるにあたって大事なことは、
・高タンパク
・低脂肪
のごはんをあげること。
ただ単に食事量を減らすだけでは不十分です。
しっかりと栄養面を考えた上で、最適な栄養価を含んだエサをあげることで、ハリネズミも余計なストレスを感じることなくダイエットすることができるはずです。
そこで、ハリネズミの最適なダイエット食でオススメなのが、イースター ハリネズミセレクションです。
成分は、
- タンパク質 29.0%以上
- 脂質 5.0%以上
- 繊維質 4.5%以下
- カルシウム 1.4%以上
- リン 1.0%以上
で、ハリネズミに必要なタンパク質をしっかり摂りながら、低脂肪でダイエットにおあつらえ向きなエサと言えますね。
ペットショップなどで販売されているハリネズミフードの多くが、タンパク質の成分量が30%以上もあるため、いくら低脂肪でも肥満の解消につながりにくい場合が多いですが、このハリネズミ セレクションであれば脂肪の気になるハリネズミでも段階的にスリム体型に近づいていくことができます。
ハリネズミフードとしてはとってもメジャーな三晃商会の「ハリネズミフード」の場合、その成分を見てみると、
■タンパク質 30.0%以上
■脂質 10.0%以上
■繊維質 9.0%以下
と、脂質がハリネズミ セレクションの倍もあるため、ダイエット食としてはハリネズミ セレクションほど向いているとは言えません。
また、アメリカの老舗ペットフードメーカーであり、世界中の動物園でも使用されているハリネズミフードの定番とも言えるMazuriの「ハリネズミ専用バランスフード」の成分を調べてみると、
■タンパク質 28.5%
■脂質 12.0%
■繊維質 9.6%
と、タンパク質の量は少ないものの脂肪が多く、ダイエット中のハリネズミにはあまり大きなダイエット効果は期待できません。
定番のメジャー商品とこうして比較しても、ダイエット食としてハリネズミ セレクションがいかに優秀かがわかりますよね。
※ただし、三晃商会のハリネズミフードも、Mazuriのハリネズミ専用バランスフードも通常のハリネズミのエサとしては栄養バランスがとれているので、肥満な子でなければ問題ありません。
まだ子供のハリネズミであれば脂質の多いエサをたくさん食べることでどんどん成長しますが、大人になっても同じような食事をとっていればだんだん脂肪が多くついてしまい、ついには肥満になって様々な病気のリスクを抱えることになります。
病気のリスクを少しでも減らすためには、低脂肪のエサをあげるように心がけましょう。
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肥満を予防するには?
ハリネズミが肥満になると、心臓疾患や糖尿病を発症したり、免疫力が低下して様々な病気を併発することになります。
少しでも長生きしてもらうためには、肥満になる前にしっかりと予防しておくこともとても大切です。
・適度な運動をさせる
・大人になったら低脂肪の食事を心がける
肥満の予防にとって、この2点はとても重要です。
ハリネズミにとっての運動というと、ケージの中にある回し車で回るのがメインになりますが、ずっと使い続けていると隙間にゴミがつまって回りにくくなったり、金属製の回し車の場合は足の爪をひっかけて怪我をする原因にもなります。
肥満予防、怪我の防止のためにも、回し車が壊れていないかどうか定期的に点検してみてください。
それから部屋の散歩に慣れさせてあげることも必要になってきます。
周りに犬や猫がいないことを確認し、小さなゴミを排除して部屋の中を遊び場にして、元気に走り回ることで運動不足解消だけでなく、ストレス解消にもなり、心身ともに健康を維持できるようになります。
そして、なんといっても低脂肪の食事で、体の中に脂肪を溜め込まないことです。
ハリネズミは偏食の子が多いのでどうしてもエサの好き嫌いが出てきてしまいますが、低脂肪のエサを数種類用意し、飽きさせないようにすることも必要です。
1回の食事であたえる量は、おおよそ
体重の5%ほど
と言われています。
それを目安にあげてみてください。毎日ハリネズミの体調や体型をチェックして、量は調節してみてくださいね。
ハリネズミにとって、おやつも欠かせない食事の1つです。
ハリネズミのおやつといえばミルワームが真っ先に思い浮かぶほど、ミルワームが大好物ですが、ダイエット中のハリネズミにとっては少々脂肪が多めなのが気になります。
同じ虫類をあげるなら、脂肪が約半分ほどのコオロギがいいでしょう。
コオロギも大好物なおやつの1つなので、乾燥コオロギをおやつとしてあげたりエサに混ぜてあげてください。
低脂肪で健康にも良く、喜んで食べてくれるはずです。