うさぎの歯の伸びすぎには注意が必要です!
伸びすぎてしまったままにしてしまうと、不正咬合になってしまう恐れがあるのです。
不正咬合とはうさぎの歯が伸びすぎてしまったことで、文字通り咬み合わせが悪くなることをいいます。
うさぎを飼っている方なら治療などを経験した方もいらっしゃるのではないでしょうか?
それだけうさぎ飼いにとっては比較的よく遭遇するメジャーな病気です。
一見、軽く思われがちなうさぎの不正咬合ですが、放っておくといろいろと厄介な問題に発展することも。
では、そんなうさぎの不正咬合にどのように予防・対処していけばよいのでしょうか。
うさぎの歯は何もしなくても伸び続ける
うさぎの歯は特に何もしなくても生涯にわたって伸び続ける性質になっています。
しかし放置すると様々な病気や障害を誘発してしまう可能性があるので、それを防止するためにも日々の生活には気を配らなければなりません。
不正咬合の主な原因
うさぎの歯は伸び過ぎを防ぐために、繊維質などの固いものを咬ませることで摩耗させる必要があります。
しかし、これを怠ってやわらかいものばかりを食べさせていると、その歯が摩耗されずにグングン伸び続けてしまうのです。
また、かじり癖などで歯が折れてしまったり、事故や落下などで歯が欠けたり形が変わってしまうといったことも原因になります。
その他にも歯の病気や老化によって形が変わってしまうことで不正咬合になってしまう例もあります。
不正咬合によって生じる病気
歯が伸びすぎてしまうと様々な障害が出てきます。
例えば、
- 食事を満足に摂れず、必要な栄養を摂れないことから起こる衰弱や体重の減少など
- 食糞行為ができず、栄養失調気味になる
- 口の中が伸びた歯で圧迫され、目ヤニや涙目などの症状が出る
- 口の中を切ってしまう
- 伸びた歯が舌や口腔粘膜を傷つけ、流涎(よだれ)が多くなる
これらの障害が起こる危険性があるのです。
うさぎは体質的に病気になりやすい個体もいるので、上記のような症状がみられる場合は早急に治療しましょう。
下手をすると生命に関わる病気に発展することもあります。
不正咬合の治療方法
ニッパーで伸びた部分をカットします。
これが最も最短で安価な方法なのですが、麻酔なしのため、うさぎの負担も大きいのが難点です。
もう一つは歯科用の機械で伸びた部分を削る方法です。
うさぎの負担は減りますが、費用が若干高くなります。
このように、歯が伸びてきたら「切る」か「削る」と言った処置をとるようになりますが、繰り返しこのような行為を行っていると歯のねじれを助長し、歯並びがさらに悪くなる可能性もあります。
そのため出来るだけこうした医療処置はとらず、普段から防止しておくのが最良だといえるでしょう。
麻酔を使う場合
上記のような処置を取る際、うさぎの負担を軽減させるために麻酔をすることもできますが、犬や猫と違い、うさぎに麻酔をすることはあまり推奨されていません。
麻酔の量を調整する際に器官チューブを喉に挿入して酸素を送るようになっているのですが、うさぎの喉は狭く、チューブを通すことでのどに腫れや出血が起こる可能性が有るからです。
そうなるとますます症状は悪化してしまいます。
また、麻酔深度を確かめる際に、反応が不確実であったり急に暴れたりすることもあるようです。
こうした事情から麻酔での治療は難しいとされています。
不正咬合の予防方法
伸び続けるのを防止するためによく使われるのは、うさぎの主食である牧草です。
できるだけ牧草をしっかり噛ませて、歯を適度に摩耗することにより不正咬合を防ぐことができます。
長いタイプだと必然的に咀嚼回数が多くなるので茎がロングタイプの牧草がおすすめです。
ペレットやおやつばかりだとどうしても咀嚼回数が少なくなりがちですので注意しましょう。
実際、野生のうさぎなどは植物の枝や茎、また木の実などの固いものを食べて、歯が削られているので不正咬合はめったに見られません。
一度本来のウサギの食事を思い起こして、うさぎの歯によい食事を与えてあげましょう。
歯の損失や事故にも注意するようにしてください。
かじり癖などは悪癖なので、きちんとしつけてやめさせるようにしましょう。
また、うさぎの高齢化とともに歯の劣化や歯髄炎などの病気も起こり得るので、お年を召したうさぎを飼っている場合は病院でマメにチェックするのも忘れずに!
まとめ
- うさぎの歯は生涯にわたって伸び続けるため、しっかりと防止しないと不正咬合を招く
- 不正咬合を放置すると様々な病気に発展する
- 治療は歯を「切る」または「削る」処置をとる
- 麻酔も可能だがあまり薦められていない
- 予防のために食事は主に牧草を中心に与えること、かじり癖などは治すこと、また高齢のうさぎは歯をまめにチェックすることが大切