犬フィラリア症は、フィラリアという寄生虫が蚊を媒介し犬の体内に寄生することで起こる病気です。
犬の飼い主さんであればほとんどの方が「フィラリア」という病気を聞いたことがあると思います。
ですが、フィラリア予防って正確にいつからいつまで必要かご存知でしょうか。
蚊の発生する時期は住んでいる地域やその年の気候によって異なるためフィラリアを予防する時期が異なるのは当然のことですよね。
また、近年の温暖化の影響もあり昔より予防期間が伸びているのです。
この記事では、
・フィラリア予防薬はいつからいつまで必要なの?
・住んでいる地域やその年の気温で予防期間を変えるべき?
について詳しく解説しています。
フィラリアとは?
フィラリアとは寄生虫の1種で、フィラリアを媒介する蚊に吸血されることで犬や猫の体内へとフィラリアの幼虫が入り込み心臓や肺動脈に寄生します。
犬や猫の心臓に住み着き様々な障害を引き起こす細長い虫で、成虫の場合28cmととても長くなります。
フィラリアに寄生されると血液の循環が悪くなり、すぐには症状に出ないものの、犬や猫の体内で成長し血流に乗り心臓や肺に到達し繁殖を始めます。
そのまま放置してしまうと、徐々に乾いた咳が出る、元気消失、食欲不振などの症状が出て、最悪の場合死に至ることもあります。
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フィラリア予防薬
フィラリアの薬は「フィラリア予防薬」と言われることが多いですが、実は駆虫薬として分類されます。
駆虫薬(くちゅうやく)は寄生虫を殺すか体外に排出するために用いられる薬の一種。虫下し(むしくだし)ともいう。
出典:ウィキペディア(Wikipedia)
フィラリアを媒介する蚊が吸血する際にふ化幼虫であるミクロフィラリアが犬や猫の体内へと侵入し、その後およそ120日かけて成長しながら移動し肺動脈や心臓に寄生します。
そして体内に侵入してから半年ほど経つとフィラリアは成熟し、犬や猫の体内で幼虫を産むようになり、数を増やしていきます。
フィラリアの薬はフィラリアが犬や猫の体内で発育する期間に投薬しフィラリアの成長を妨げる効果があります。
そのため正確にはフィラリアそのものを予防しているわけではなく、投薬することによりフィラリアの幼虫を駆除し成熟するのを妨げ、犬や猫がフィラリア症になるのを予防しているのです。
フィラリア予防薬が一般に普及するまでは、犬の死亡原因のトップはフィラリア症だったそうです。
ですが、フィラリア予防薬が普及してからは、フィラリアは100%予防できる病気だと言われています。
では具体的にフィラリアの予防薬が必要な期間を見ていきましょう。
フィラリアの正確な予防時期
フィラリア予防薬を投薬する期間と蚊が媒介する期間はイコールではありません。
基本的には蚊が飛び始めた1ヶ月後から、蚊がいなくなった1ヶ月後までが投薬期間です。
上記でも説明した通りフィラリアのお薬はフィラリアそのものを予防するものではなく、フィラリア症になるのを予防するお薬です。
そのためフィラリアを媒介する蚊がいなくなった1ヶ月後まで投薬する必要があるのです。
蚊が活動できる気温
日本でフィラリアを媒介する蚊の種類は実に16種類もいると言われています。
蚊の種類により最も活発に動く気温は異なりますが、多くの蚊は気温が15℃以上になると吸血を始め、25~30℃まで上昇するとさらに吸血活動が活発になります。
蚊は以外にも熱に弱く、気温が30℃を超えるの死んでしまう種類もいるようです。
そのため、真夏には朝夕に活発に動き吸血をしますが、春や秋には昼間が活動の適温になることも多く散歩時や家の中でも刺されるリスクが高くなると考えられています。
地域によって予防期間が異なる
近年の温暖化の影響により蚊が媒介する期間は伸びている傾向にあります。
さらには住んでいる地域により平均気温も異なるため、一般的に言われている予防期間よりも短い場合、長い場合が存在します。
飼い主さんの住んでいる地域、その年が暖冬であれば予防期間も毎年確認する必要がありそうですね。
5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
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札幌 | 12.4 | 16.7 | 20.5 | 22.3 | 18.1 | 11.8 | 4.9 | -0.9 |
東京 | 19.6 | 23.7 | 28.5 | 27.2 | 25.1 | 17.5 | 15.6 | 9.9 |
沖縄 | 26.7 | 29.4 | 31.8 | 31.5 | 30.4 | 27.9 | 24.6 | 21.2 |
※札幌と沖縄は1981年から2010年の平均データ、東京は2004年
札幌の場合は上記の平均気温の場合、10月は蚊が活動できない気温なため10月の中旬ごろに最後の投薬をした方が良さそうです。
東京の場合は、11月の平均気温が15.6℃と蚊が活動できる気温を超えているため、翌月の12月中旬や下旬ごろに最後の投薬をしたほうが良さそうです。
そして沖縄の場合は1年を通して温かい気温が続くため、1年持続型の注射による予防や、毎月1回予防薬の使用が必要となります。
このように住んでいる地域やその年の気候により予防期間に変化があります。
投薬前の検査時期
フィラリアのお薬を投薬する前には必ず血液検査を受けるようにしましょう。
犬や猫のフィラリア症の検査は、血液検査が一般的な方法です。
血液を調べ、その中にミクロフィラリアがいるかどうか、また成虫の免疫学的検査をしてもらいます。
投薬開始の1ヶ月前に検査を受ける
去年の秋から冬の休薬期間に確実に予防できたかどうか、フィラリアに感染してないかどうかを確認するために行います。
上記のデータで説明すると東京であれば蚊が飛び始める4月の1ヶ月後から投薬を開始するため、4月中に検査を受けます。
札幌であれば、蚊が飛び始める6月に検査を受けるのが良いとされています。
血液検査で感染を確認できるのは、幼虫が成長して血管内にミクロフィラリアが検出されるようになってからになるので、それはフィラリアに感染してから6カ月後くらいになります。
出典:桑原動物病院
仮にフィラリアに感染した状態に気づかずにフィラリア予防薬を投薬すると、急性犬糸状虫症や食欲低下、痙攣、アレルギー症状などが出てしまう可能性もあります。
そのため去年の春から秋にかけてしっかり投薬していても、フィラリア予防薬の投薬を開始する前に必ず検査を受けてから投薬するようにしましょう!
まとめ
フィラリア予防薬は毎年決まった時期や期間では予防できないこともあります。
またインターネットで情報を集める場合は、どの地域の動物病院のサイトなのかなどもしっかり見ておく必要がありそうですね。
・予防期間は蚊が飛び始めた1ヶ月後から蚊がいなくなった1ヶ月後まで
・投薬開始の1ヶ月前に検査を受ける
フィラリアに寄生されてからすぐには症状が出ないことから感染には気づきにくく、最終投薬時期を誤ると翌年の検査時に感染していた…。なんてこともあるかもしれません。
フィラリアの詳しい症状については下記を御覧ください。