国内でレオパ用として購入可能なコオロギには、ヨーロッパイエコオロギ(イエコ)とフタホシコオロギの2種類がいます。
レオパ初心者にとってフタホシコオロギは、肉食傾向や縄張り意識が強かったり、共食い傾向があることから敬遠されがちで、強力なジャンプ力があり脱走しやすいという特徴があります。
それに比べて、飼育が簡単、丈夫で長生きするヨーロッパイエコオロギのはレオパの餌として人気があります。
そんなヨーロッパイエコオロギをレオパの餌用として購入し続けている内に、ある日ふと興味が湧いてきました。
自分で飼ったり、繁殖させたら餌代も浮くし助かるんじゃないだろうか?
今回は、そんな疑問をもった方のために、ヨーロッパイエコオロギの飼育に必要なものや繁殖方法について紹介したいと思います。
ヨーロッパイエコオロギの飼育に必要なもの3点
ヨーロッパイエコオロギを飼育するには、必要なものが3点あります。
プラスチック製の衣装ケース | 高さが約30㎝くらいのツルツルとしたプラスチックの衣装ケースを使用してください。 何故ツルツルとしたものを使用するかというと、コオロギは垂直のガラス面やプラスチック面を登ることができないためです。 脱走する可能性は低いですが、念のため蓋はかぶせておきましょう。※コオロギは蒸れに弱い昆虫なので、衣装ケースに蓋をかぶせてしまうとケース内が蒸れて死んでしまいます。 ですので、衣装ケースの蓋の上部に小さな空気穴をあけて通気性を良くしてあげましょう。 |
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給水機 | 給水機は、自動的に水を紐に染みこませてコオロギに飲ませる市販の自動給水機があります。 中にはケース内に水入れを設置して水を飲ませている飼い主さんもいますが、おぼれて死んでしまわないようにウールマットなどを敷いておくとよいです。コオロギは水分を摂れないと数日で全滅してしまうほど乾きに弱い昆虫です。 また、安定的な繁殖を行うのにも、水分は必要なので、絶やさないようにしましょう。 |
紙製の卵パック | プラスチックの衣装ケースだけで飼育しようとすると、足元がツルツルしてうまく移動できなくなってしまいますので、紙製の卵パックを敷いて動きやすくしてあげましょう。 また、紙製の卵パックは、隠れ家ともなりますので、何段も積み重ねておきましょう。 コオロギはケース内に影になるものを積み上げておくと、その下に潜り込む習性があります。 脱皮時の共食いや雄コオロギの縄張り争いの際の共食いを避けるためにも、デコボコのある紙製の卵パックがあれば、それぞれが隠れられます。 |
ヨーロッパイエコオロギの生活しやすい適正温度
ヨーロッパイエコオロギが生活しやすい適正温度は何℃かご存知でしょうか?
体が丈夫なので、16℃~35℃くらいの温度幅なら生きることは可能ですが、16℃を下回ってしまうと、餌を食べなくなり死んでしまう可能性が高くなります。
ヨーロッパイエコオロギの食欲が湧き、栄養が十分に摂れて適度な大きさであり続けられる適正温度は23℃~26℃前後です。
尚、繁殖の際の適温は、30℃~35℃です。
このくらい高い温度で飼育することにより、代謝が上がり、産卵も促されます。
ヨーロッパイエコオロギに与える餌は?
次にヨーロッパイエコオロギに与える代表的な餌を紹介します。
動物性タンパク質の多い食べ物がおすすめです。
- 鶏の餌
- 煮干し
- チーズ
※キャットフードやドッグフードなどの脂肪分が多いものがよいという意見もありますが、そういった脂肪分が多いもので育ったコオロギをレオパが食べると栄養のバランスが崩れ肥満の原因ともなるのでおすすめしません。
また、植物性タンパク質の多い食べ物もおすすめです。
- にんじん
- かぼちゃ
- 大根の葉
- 小松菜
リンゴやみかんなどの果物は水分を摂ることもできるので上記の餌と一緒に与えてあげましょう。
※玉ねぎやニンニク、ニラは、与えてはいけません。
これらに含まれる硫黄化合物は、コオロギが中毒を起こす原因となりますので注意してください。
他にはコオロギ用専用フードというものがあります。
コオロギの栄養のバランスを考えて作られた餌なので与えるにはベストと言えるでしょう。
ヨーロッパイエコオロギは雑食性で、なんでも食べるといえば食べます。
しかし、バランスには注意しなければいけません。
雑食性の生き物は、動物性タンパク質と植物性タンパク質のどちらかに偏って餌を与えていると、タンパク質のバランスが崩れて共食いの原因となってしまいます。
与える時には、偏りがないように注意して与えてあげましょう。
ヨーロッパイエコオロギの繁殖方法
ヨーロッパイエコオロギを繁殖させる方法をご紹介します。
まずは、繁殖用のコオロギを育てている飼育ケースとは別に、卵を保管するための飼育ケースを用意しておきましょう。
手順① | ヨーロッパイエコオロギを繁殖させるには、50~100匹ほどの数がいれば十分ですので、この数をプラスチック製の衣装ケースに放ちましょう。 |
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手順② | 飼育ケース(衣装ケース)の中は、水れや餌入れの他に繁殖用の容器を用意して、そこにティッシュペーパーを2、3枚湿らせて置いておきましょう。 すると、数日のうちにティッシュペーパーの上に次々と卵を産んでいきます。 卵が確認できたら用意しておいた別の飼育ケースに移し替えてください。 |
手順③ | 卵が孵化するまで、温度は28℃以上を保ちましょう。 孵化は、産卵から早くて8日、遅くとも2週間ほどで孵化します。 ケース内は、乾燥しすぎないように霧吹き等で時々湿らせてあげてください。 |
手順④ | 孵化したばかりの幼虫は、水が切れるとすぐに死んでしまいますので、水を染み込ませたティッシュペーパーをいくつか置いておきましょう。 |
手順③ | 幼体は、孵化してから約1ヵ月~1カ月半ほどで成虫になります。 ヨーロッパイエコオロギが成虫になったら、また、①からの繰り返しで繁殖が可能となります。 |
卵が孵化しない時は
ヨーロッパイエコオロギが卵を産んで28℃以上の温度を保っているのに、孵化しない。。。
そんな時には、保温シートを敷いたタッパーなどに卵を移し、卵に適度に霧吹きで湿らせます。
その際にタッパーは密閉せずに、通気性は良くしてください。
すると約1~2週間で卵が孵化すると思います。
卵が孵化しない原因
・暖房温度と室温に差がある
冬場に暖房設定を孵化の適温28℃以上にしておいても、部屋の温度まで28℃になっていない場合があります。
そんな時は、パネルヒーターなどで底面を温めてみましょう。
孵化までの期間ですが、冬場は1ヵ月くらい様子をみてもいいかもしれません。
・卵が死んでしまっている
卵を移した別のシートの床に水滴が付いていて卵に触れていたりすると、卵自体が死んでしまうので適度な湿り気を意識しましょう。
生まれたコオロギの飼育法
別の飼育ケースに移した生まれたばかりの幼体は、水分が足りていれば共食いはしませんので隠れ家となる卵パックは必要ありません。
ただ、蒸れてしまわないように注意してください。
食べ物は成虫と同じように、動物性と植物性のタンパク質をバランスよく摂れるようにしてください。
※幼体は、体がすぐに壊れてしまうほど繊細で力がないため、ピンセットで掴んだりせずに慎重に扱いましょう。
そして、5㎜~8㎜くらいのしっかりとした大きさになったら成体と同じプラスチック製の衣装ケースに移して育ててあげましょう。
まとめ
レオパの餌、ヨーロッパイエコオロギの飼育・繁殖方法を見てきました。
うまく繁殖させることに成功して、餌代を浮かすことができたら大助かりですよね。
ただし、1つ注意して頂きたいことがあります。
コオロギは、世間一般的には作物を荒らす害虫として知られています。
餌として繁殖しすぎて困ったからといって、近所に大量に逃がしたりしないようにする必要があります。
困った場合は、爬虫類専門のショップで相談してみましょう。
きっと、助けになってくれるはずです。