【初心者】レオパの飼い方事前情報!価格や種類、必要なものなどを紹介

近年、爬虫類を飼う人が増えています。
特にレオパ(ヒョウモントカゲモドキ)は、その愛くるしい瞳と飼いやすさのため、人気の高い爬虫類です。

ペットショップではレオパのコーナーも設けられており、見かけたことがある方もいるのではないでしょうか?

「レオパを飼ってみたい!」と思い始めている方へ。
この記事では、

レオパの特徴
飼育に必要なもの
種類や販売価格
飼育にかかる費用
購入時に抑えておくべきポイント

などを爬虫類ショップで6年間スタッフを行っていた玉木が紹介していきます。
特に、購入するときのポイントは確認しておかないと様々な問題が後に発生してしまう恐れもありますよ。

それでは参りましょう!

レオパってどんな動物?

レオパとはどのような動物なのでしょうか?

レオパは、北部を除くパキスタンやアフガニスタン東部および南部、インド北西部など、平原や荒野、砂礫地帯に生息している全長20センチほどの大きさのヤモリ科の爬虫類です。

英名がLeopard Gecko(レオパードゲッコウ)ですので、愛好家の間ではこれを略してレオパという愛称で呼ばれています。

ヤモリの中でも大型で、全5種類いるアジアトカゲモドキ属性の中でも3番目の大きさになります。

ニホンヤモリなどのヤモリ亜科の種類と似ているようですが異なる種類で、ヤモリの足の裏にあるような趾下薄板(しかはくばん)という器官がないため、壁等に張り付かずに地上を歩行するなどの特徴を持っています。

レオパは飼育が簡単だったり、丈夫な特徴を持っていることから、初心者向けの爬虫類として、欧米や北米などで古くから人気があります。
日本でも同様で、初めて輸入されてからその愛らしい瞳で人気を獲得しつつあります。

爬虫類愛好家の間でも人気が根強い爬虫類で、様々な品種のレオパが新しく誕生しています。

体の特徴

レオパには瞼(まぶた)があります。
これは他のヤモリにはない特徴です。
体の表面は鱗(うろこ)で覆われています。
一見すると固そうですが、柔らかく触り心地がよいです。
他のヤモリのように壁は登れません。
トカゲモドキといわれているのは、そのことも関係しています。
健康のバロメーターとなります。
この尻尾に栄養を蓄えておくことができます。
びっくりすると自切することがあるので、尾っぽを持ったりしてびっくりさせないようにしましょう。

活動時間や動きの特徴

活動は夜行性です。
歩くときは尻尾を引きずらないでやや持ち上げ気味に歩きます。

威嚇時や獲物を狙う時は、尻尾を大きく持ち上げて左右に揺らします。

繁殖

繁殖は、1シーズンにつき、1~5回ほどに分けて2個の卵を1セットとして産みます。
そして、産んだ卵は1か月か2か月程度で孵化します。

オスが生まれるかメスが生まれるかは温度によって異なり、摂氏29℃以下の卵の保温状態の時はメスのみ、摂氏2℃以上の時はオスのみ孵化します。

寿命

寿命は、野生下でも、飼育下でも約20年と長生きです。

レオパは初心者にも飼育しやすい?

レオパは、爬虫類初心者にも飼育しやすいです。

温度や湿度などの環境の変化への順応性が高く、犬や猫のように毎日ご飯をあげないと死んでしまうような危険がありません。
そのため、一人暮らしのサラリーマンやOLが飼うのにも適しています。

性格は温厚で、噛みついてくるようなこともめったにありません。
そして、ゆったりと動くため、手に乗せてレオパの体調を確認するハンドリングなどのスキンシップもとれます。

ただ、スキンシップを取って楽しいのは人間だけです。
レオパは群れて生活する動物ではないため、基本的には人間には懐きません。

餌の頻度は?

レオパの餌をあげる頻度ですが、成体(大人)のレオパは2日~3日に1度のペース。

幼体は毎日食べるだけ餌を与えるのが基本です。
(※仕事で家を空けることが多い方は、成体のレオパがおすすめです。)

鳴き声やにおいは?

レオパは滅多に泣くことがないため、うるさくて隣近所に迷惑を掛けることはありません。

飼育する際に特別嫌な臭いもしないため、飼いやすいです。
ただ、掃除を怠ると、餌などの臭いで悪臭を放つためこまめに掃除することは忘れずに。

トイレは?

決まったところに糞をするという習性をもっており、トイレの場所を覚えさせれば、その場所で糞をするため、処理は簡単です。

レオパの種類と販売価格

レオパの種類は様々で、掛け合わせで100種類以上存在するといわれています。
ここでは、代表的な種類と値段について紹介します。
(※値段は、ショップによって異なります。)

ノーマル

 

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野生下で暮らすレオパに近い色をしたモルフで、黄褐色の体に黒い小さなまだら模様が全身を覆っています。
基本の品種ですが、流通量は極端に少ないです。

相場価格は、15,000円位~

ハイイエロー

 

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レオパの中で最も基本的な品種で、濃いイエローが特徴的です。
一番多く販売されています。

相場価格は、3,000円~8,000円

タンジェリン

 

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強いオレンジの色味を持ち、黒い小さなまだら模様は少なめです。
同じオレンジでも、レオパによって色味に違いがみられ、赤身の強いオレンジ~黄色味の強いオレンジまで幅広いです。

相場価格は、20,000円前後

アルビノ

 

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アルビノは、白みが強く黄色味が薄いレオパの品種です。
トレンバーアルビノ、ベルアルビノ、レインウォーターアルビノの3種類があり、色の違いで分けられています。

相場価格は20,000円~40,000円

マックススノー

 

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白い肌が特徴的な品種です。
幼体の内は、黒と白のまだら模様ですが、大人になるにつれて白い部分が黄色くなってきます。
黄色くなるといっても、その個体次第で、ハイイエローと殆ど見分けがつかないものもいます。

相場価格は、20,000円前後

メラニスティック

 

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黒い全身が特徴的な品種です。
しかし、実際に流通しているメラニスティックは、少し黄色味かかっていたり、黒っぽいだけで完全に黒ではなかったりします。

相場価格は、30,000円~

飼育に必要なものと選び方

レオパの飼育セット

レオパの飼育に必要なものと選ぶポイントを紹介していきます。

飼育ケージ

レオパを飼育するケージは、一番大事な飼育用具であるでしょう。
なぜなら、レオパがのんびりと落ち着いて暮らすための住処(すみか)だからです。

爬虫類用のガラスやプラスチック素材のものがあります。

ケージの大きさは、成体の全長の2倍くらいのものを選ぶとよいでしょう。
全長が20㎝から25㎝くらいと考えれば、約40から50cmの幅があると困らないでしょう。

幼体は10㎝くらいしかありませんが、1年ほどで成体になるので大きなケージを購入しておけば安心です。

保温器具

保温器具は寒い季節にレオパの体を冷やさないようにするために必要なものです。
レオパの活動に最適な温度は、25℃~30℃です。

ケージ内が適正温度より大きく下がってしまうと、正常に活動できなくなってしまいます。
そうならないように、保温をして適正温度を保ってあげましょう。

その方法は2つあります。
飼育ケージ内全体を暖める方法とケージの底面からレオパのお腹を暖める方法です。

シェルター

シェルターは、レオパが眠ったり体を休めるための隠れ家です。
野生のレオパは穴を掘って休息していますが、その代わりであると考えましょう。

シェルターには、ドライタイプとウエットタイプがあります。
両方用意しておいて、レオパが自由に選ぶことができるようにするとよいでしょう。

ちなみに、ウエットタイプのシェルターは、レオパの脱皮を助ける時に活躍してくれます。

エサ入れ・水入れ

爬虫類専用のものが販売されています。

自宅にある灰皿や小皿でも代用できますが、その場合、安定性のあるものを使用しましょう。
レオパに倒されてケージ内が汚れると掃除が大変です。

床材

ケージの底面に敷くものです。
素材は砂、土、植物系、天然岩石を潰したものなどがあります。

幼体の場合、床材を誤って飲み込むと腸閉塞(ちょうへいそく)を起こしやすいため、成体になるまで床材の使用は控えましょう。
幼体を飼育する方は、新聞紙やキッチンペーパーを床材として使用してみましょう。

汚れても簡単に取り換えることができますし、誤って飲み込んでしまう心配もありません。
また、糞尿も確認がしやすいです。
(※ただし、汚れやすいのでこまめに取り換えましょう。)

また、床材は、1か月に1回は交換しましょう。

レオパの餌はコオロギを基本とし、ミルワーム、ハニーワームなどのワーム類、ハツカネズミの赤ちゃんピンクマウス、デュビアやレッドローチというゴキブリの仲間などが与えられています。

生きている昆虫に抵抗がある方は、冷凍タイプ、乾燥タイプ、缶詰めになっている昆虫、レオパ用の人工飼料も販売されています。

まずは自分があげるのに抵抗のない餌を選んで、食べさせてあげましょう。


飼育費用

続いてはレオパを飼育するにあたって、必要な初期費用や1か月の費用について説明します。

初期費用

レオパの飼育に必要なグッズや餌などは、いくらくらいなのでしょうか?

飼育グッズ
餌入れや水入れ:100円~、
シェルター:500円~1,000円ほど
床材:1,000円~3,000円ほど
保温器具:1,000円~3000円ほど
飼育ケージ:安いものだと3,000円、高いものは60,000円ほど


餌代は1,000円~2,000円ほどで購入できます。

飼育グッズと合わせて、約8,000~17,000円程度で初めの飼育グッズを揃えることができます。

1か月の費用

レオパの1か月の飼育にかかる費用は、保温器具の電気代、交換する床材の費用、餌代です。

保温器具(パネルヒーター)の毎月の電気代
ワット数 1か月の電気代(1日24時間使用)
16W(30~45㎝の飼育ケージ対応) 299.5円
20W(45~60㎝用ケージ対応) 374.4円
(※レオパの飼育ケージに対応する40~50㎝のケージを想定して試算)

保温器具(保温球)の毎月の電気代
ワット数 1か月の電気代(1日24時間使用)
40W 748.8円
50W 936円
60W 1123.2円
(※レオパの飼育ケージ40~50㎝のケージに対応する40~60ワットの保温球で試算)

先述の床材と餌代の費用と合わせると、1か月の総費用は安く見積もると3,000円ほど、高く見積もっても6,000円ほどです。

床材は、もう少し安いものやペットシーツや新聞で代用すれば、もっと安く済ませることができます。

購入時に抑えておくべきポイント

レオパを購入するには、ペットショップ(または爬虫類専門店)やイベントに足を運んで購入します。

※購入は販売店及び展示会で対面説明と現物確認をしないと購入できなくなりました。
(2013年の動物愛護法改正によりネットでの購入は禁止です。)

ペットショップで購入する場合

ペットショップで購入する際にチェックすべきことは、

  • そのペットショップで飼われているレオパたちは元気か?
  • ケージ内は清潔か?
  • タッパなどの狭い容器に押し込められていないか?

の3点です。

この3点を満たしている店は、店員さんがレオパの知識や情報も豊富で、初心者のちょっとした疑問にも親身に答えてくれます。
そして、飼育後の困りごとも聞いてくれたり、アフターフォローが充実しています。

また、レオパの育った環境の表記があるかどうかは、重要です。
ペットショップで購入する際、名札の横にアルファベットでCBやWCという表記がされている場合があります。
これは、そのレオパがどのような環境で育ってきたのか?を表したものです。

CB人の手を加えることで繁殖した個体です。
Captive Breedを略してCBといいます。
卵が孵って(かえって)からずっと、人の手によって飼育されてきた個体です。
WC野生の個体を採取したものです。
Wild Caughtを略してWCといいます。
厳しい環境下で育ってきたため、適応力があります。

※FHやCHという表記のレオパもいますが、これらは人の手で育てられたメスが生んだ卵や野生下の卵を採取し、孵化(ふか)させた個体のことです。

イベントで購入する場合

全国で定期的に開かれている爬虫類のイベントには、多くのブリーダーやショップが集合しています。

そのため、初心者には馴染みのない情報に触れて知識を深めた上で、納得してレオパを購入できます。

購入だけでなく、飼育のプロが行うトークショーを聞けたり、同じレオパ好きの人との交流をもてるのも魅力です。

幼体にするか?成体にするか?

レオパを購入する時には、幼体のものを選ぶか成体のものを選ぶかで、迷うかと思います。

結論からいうと、初めてレオパを飼うには、成体を購入することをおすすめします。
成体は体が丈夫な上に性格も図太いため、初心者はそれほど気をつかわずに飼うことができるからです。

それに対して幼体は、エサや保温の面で成体より飼育に気をつかわなければならないところがあり、初心者向けではないといえます。
しかし、幼体の色彩や模様の変化、大きくなっていく様子を楽しみたいなら、多少の難しさがあったとしても幼体を飼ってみてはいかがでしょうか?

初心者はどの種類を選ぶのがいい?

レオパ初心者の方は、ノーマルタイプのハイイエローを飼うことをおすすめします。
希少価値のあるレオパだと高価になるため、飼育を楽しみたいという単純な理由ならば、まずは、お求めやすいハイイエローがおすすめです。

しかし、実際に購入する際に、「この子だ!」と直感的に感じたレオパがいればその子に縁があるのかもしれません。

購入する前の最終的なチェックポイント

購入する前の最終的なチェックポイントは、

ポイント体全体が細く痩せていないか?

お腹の調子は悪くないか?

骨格や体の各パーツに異常はないか?

の3点です。

体全体が細く痩せていないか?

体全体が細く痩せている状態の時は、拒食などのトラブル、餌を長期間与えられていないなどの可能性が考えられます。
全体的にバランスが取れた体型であるかをよく見ましょう。

どこか細すぎたり、太すぎたり、アンバランスな体系ではないでしょうか?

ちなみに栄養の行き届いている個体は、首と尾が同じくらいの太さです。
幼体の場合は成長過程のため尾が細く判断が難しいため、正常な成体との比較で判断しましょう。

購入してから後々拒食などの病気にかかり、困らないよう慎重に見極めることが必要です。

お腹の調子は悪くないか?

お尻が排泄物で汚れていたり、下痢をしている場合、寄生虫による感染症にかかっている疑いがあります。

お尻の状態を良くチェックしておきましょう。

骨格や体の各パーツに異常はないか?

背骨が曲がっていないか?
尻尾が切れたりしていないか?
目はパッチリと左右の大きさが同じか?
足の指は全部そろっているか?

もきちんとチェックしましょう。

良心的なショップの場合、問題のある個所がきちんと明記してあり、購入の際に説明してくれます。
気になる場合は、購入をいったん待つという手もあります。

まとめ

レオパを飼うために必要な、知っておくべき事前情報をまとめていきましたが、いかがでしたでしょうか?

生き物を飼うということは命を預かるということで、大変なことも多いかもしれませんが、レオパは比較的飼いやすく、初心者さんにはおすすめであるかもしれません。

なついてくれると、家に帰ったときに、顔を出してくれたりと、とても可愛いですよ。

是非購入を考えている方は参考にしてみてくださいね。

お読みいただき、ありがとうございました!